「赤ちゃんがここに来ること」
街で見かける赤ちゃん連れの家族の姿は、とても微笑ましく幸せそうです。赤ちゃんは泣いても笑ってもかわいいし、その場を明るくさせてくれます。また、未来や希望を感じさせてくれる、そんな不思議な力があります。
でも「育てている当事者の親」にとっては、そうそう楽しく華やかな時間ばかりではありません。地球の生活に慣れない赤ちゃんは、昼夜を問わずのお世話が必要とされます。子育ては貴重なかけがえのない営みですが、悩んだり、迷ったり、後悔したりと、何歳になってもゴールはありません。
出産は子供を授かるまでは「だれかの子供」であった自分が「だれかの親になる」という大イベントです。それは、次の世代にバトンを渡すための大きな転換です。まさに、コペルニクス的転換(天動説⇒地動説)を必要とするくらいに大きな出来事です。
その切り替え時はだれもが混乱し、不安になります。赤ちゃんのいる生活に慣れるまでの一時期、特に母親にとっては、ガルガル期(動物の母親が子を守るために周りに対してガルガル吠える)の体調がそれに拍車をかけます。
今の時代、親世代は出産するまで仕事をしていることが多く、住んでいる地域のスーパーやコンビニしか知らないことはざらです。それでも十分、生活していけます。
しかし、子供が生まれたとたん、これまで目に入らなかった子供の専門病院、お出かけ先、多々ある手続き機関などの場所や知識が、どんどん必要になっていきます。
また、自分自身の生活リズムが一変し、睡眠や食事時間も思い通りいかず、赤ちゃん中心の生活が延々と続いていくような気持ちになっていきます。特に産後一カ月の間は母体も回復せず、赤ちゃんも外出できないことから、買い物に行く時間も一息つける暇もなくなり、一日中だれとも話さない生活にもなりかねません。
「私たちの役目」
私たちサポネットは子育てのスタートの時期を、ほんの少しだけお手伝いするボランティアのチームです。
「ちょっと抱っこを代わります」「沐浴のお手伝いをします」「赤ちゃんをみてるから上の子とゆっくり付き合って」「慣れないお出かけには付き添います」
週1回2時間が原則です。
「そんなちょっとで?」と思われるかもしれません。また、「他人を部屋に入れるなんてムリ。」、「私よりもっと大変な人がいるだろうし。」など、利用を躊躇する方もおられることでしょう。そんな方たちも、思い切って利用してみたら、あら不思議。
このちょっとしたお手伝いが、閉じられていた生活に外の風を入れます。サポネットが来る日、少しは育児の手が抜ける日ということで一週間のメリハリがつきます。気軽にちょっとした質問もできます。近くに住むボランティアさんとはご近所でばったり出会え、声をかけあえます。そして何より、赤ちゃんの成長を共に喜びあうことができます。
一方ボランティアにとっても、赤ちゃんを抱っこしながら幸福な気持ちになります。そして、少しでもお母さんのお役に立てることが嬉しく、赤ちゃんの成長を一緒に喜び合える家族が出来ます。
お互いにいいね!いいね!の関係が、とても素敵♫です。
サポネットの語源は「サポート」を「ネットワークで」です。そんな地元の赤ちゃん育児手助けチームのサポートを利用することで、子育て生活の初めの一歩が、ゆっくり安心して踏み出せますように。また、お出かけ先のサロン「みんなの実家」で再会できたり、その後の成長を見守ったりすることで、喜びや困難を共に分かち合える知人がいるあったかい地域になっていけたらと願っています。
「少しの勇気をもって」
たった週1回2時間ですが、お試ししてみませんか?その効果を、体験してみませんか?
そんな私たちの関係を生み出してくれるのは、真ん中にいる赤ちゃんです。ここを選んで生まれてきてくれた赤ちゃんが、皆を結んでくれています。
子育ては一人ではできないものです。誰かに手伝ってもらってナンボの大事業です。いっしょに悩んだり笑ったり。小さい家族を、大きな地域の家族で守りたい、それがサポネットです。
次の世代へのバトン渡し、ちょこっとの勇気をもってスタートしてみませんか。
35(産後)サポネットin荒川
代表 藤田 房江